
髪が薄い事を自虐ネタとしている人も多く見かけますが、時には本人が不快に思っているにも関わらずそのようないじりをする人もいます。
今回は、この本人が不快(良しとしていない)場合のと感じている場合の『ハゲ』いじり、ネタ扱いがどのような問題を生むかについて書いていきます。
★目次(もくじ)
世間的に『ハゲ』いじりは許されるという風潮は大間違い
本当に不思議に感じるのですが、髪が薄くなっていくことは本人の努力ではとめることができません。
そして、まさに身体的な特徴に関する攻撃にほかならないことです。
例えば女性に向かって『シワが多いね』とか『足が太いね。太っているね』などと発言したらどうでしょうか。
年をとっていけば『シワが増える』ことは本人の努力では防ぐことができないことですし、まさに身体的な特徴への攻撃です。
ですから、このような発言は世間的には容認されていない、控えられている発言と思います、
一方『ハゲ』はどうでしょうか。こちらも全く同じで、自分では防ぐことのできない、身体的な特徴の1つですよね。
であるにもかかわらず、世の中では平然と『このハゲオヤジ』などと簡単に発言している場面を多く見かけます。
世間的に容認されているように感じられるこの『ハゲ』いじりですが、本人の努力では防ぐことができない、身体的な特徴に関する攻撃であり、軽い気持ちで発言することなどは配慮されていくべきであるものと考えています。
『ハゲ』いじり、ネタ扱いは名誉毀損やパワハラにあたる可能性がある
本人が不快(容認していない)に感じているにも関わらずこの『ハゲ』いじりやネタ扱いした場合はどのようなリスクがあるのでしょうか。
まず、考えられるのは名誉毀損です。そして名誉毀損には刑事(犯罪)と民事(民法での不法行為)があります。
『ハゲ』をいじる程度では、警察に捕まることはないと思いますが、一応刑法上の名誉毀損の定義としては、
刑法第230条1項にて
「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する」
と定めがあります。
民事上の名誉毀損は謝罪要求や損害賠償請求となり、『ハゲ』いじりにはこのようなリスクがあります。
そして、もう1つパワハラにあたる可能性があります。
典型例で言えば、本人が嫌がっているにも関わらず、上司が部下の『ハゲ』をいじる、ネタ扱いするようなことです。
このような行為は、パワハラであり、身体的な特徴への攻撃であり人権侵害行為でもあるので、これらの行為に基づく損害賠償請求の裁判を起こされる可能性もあります。
このように世間的に容認されている風潮がある
『ハゲ』いじり、ネタ扱いですが、
その本質は、本人の努力では防ぎようのない身体的な特徴への攻撃(人権侵害行為)であり、そうと悪質な言動であると考えることができます。
ほんの軽い気持ちであっても相手のことを考え、不用意に発言等することがないように気をつけていきたいものであると思います。