コラム

「労働基準監督署」と「労働局」の役割の違い 解説

 

働く人にとって大きな心配事項といえば、労働に関する違法行為やハラスメント行為などだと思います。

 

万が一、自分がそのような行為を受ける側になった場合には、実際どこに相談すればいいのか悩むことも多いと思います。

 

そこでここでは、労働に関する相談先として一般的に認識されている、「労働基準監督署」と「(都道府県)労働局」に関する説明と、「労働基準監督署」と「(都道府県)労働局」の役割の違いについて詳しく書いていきます。

 

「労働基準監督署」と「労働局」の違い

それではまず、「労働基準監督署」と「(都道府県)労働局」の役割の違いについて見ていきましょう。

 

どちらも厚生労働省の出先機関であり、以下のような関係にあります。

厚生労働省 → (都道府県)労働局 → 労働基準監督署

そして、各役割を次で見ていきましょう。

 

*なお、「厚生労働省」とは「国民生活の保障・向上」と「経済の発展」を目指すために、社会福祉、社会保障、公衆衛生の向上・増進と、働く環境の整備、職業の安定・人材の育成を総合的・一体的に推進する、国家行政組織のための行政機関の一つです。

 

「労働基準監督署」

労働基準監督署とは、厚生労働省の第一線機関であり全国に約320署あります。

 

労働基準監督署の内部組織は、一般的に以下のように分かれています。

「方面」(監督課)・・・労働基準法などの関係法令に関する各種届出の受付や、相談対応、監督指導を行う。

「安全衛生課」・・・機械や設備の設置に係る届出の審査や、職場の安全や健康の確保に関する技術的な指導を行う。

「労災課」・・・仕事に関する負傷などに対する労災保険給付などを行う。

「業務課」・・・会計処理などを行うから構成されています。

*署の規模などによって構成が異なる場合があります。

 

一般に起こり得る労働トラブルと関係がありそうなところは「方面」(監督課)と考えられそうですが、実はその役割は

「労働基準法などの関係法令に関する各種届出の受付や相談対応、監督指導を行う」

というところですから、労働基準法への違反に対する相談、監督指導などとなります。

 

具体的には、給与等の不払い、36協定違反(時間外労働や休日出勤など)などの明らかな労働基準法違反についての監督指導などを行うということですね。

 

ですので、例えばセクハラやパワハラ、解雇の不当性など、直ちに違法性が明確に判断できないものは基本的には応対できません。

 

「労働局」

労働局とは、「労働基準監督署」の上流機関にあたり、全都道府県に設置されている厚生労働省の地方支分部局の一つでこちらも国の出先機関です。

 

「労働基準監督署」は労働基準法に違反する企業等に対する監督指導を行う役割であるのに対し、こちらの「労働局」は企業と労働者の間の労働条件や職場環境に関するトラブルや紛争などに対しても応対することが可能です。

 

その職権は広範囲に及んでおり、具体的には、

・労働相談(全般)

・労働法違反の相談

・労災保険・雇用保険などの相談

・職業紹介と失業の防止

・刑事訴訟法上の告訴・告発

・企業と労働者間の和解、あっせん

などがあります。

 

ですので、

・セクハラやパワハラの相談

・解雇の不当性の争いの相談

・労働条件等の不利益変更(会社が一方的に労働条件等を悪く変更、賃金下げなど)等の相談

・募集、採用等のに関する不適当な扱い等の相談

などは、「労働基準監督署」ではなく、こちらの「労働局」が対応できることになります。

 

ということですので、この両者の違いをまとめてみますと、

 

「労働基準監督署」は、企業の労働基準法違反に対し、企業に監督指導することができ

「労働局」は、企業と労働者間のさまざまな紛争などへの対応が可能

 

という特徴があるといえます。

 

労働に関する相談窓口は1本化されている

一昔前までは、相談内容によって、「労働基準監督署」か「労働局」が判断する必要がありましたが、現在では労働に関するあらゆる相談の窓口として

「総合労働相談コーナー」

というものが設けられており、相談内容によって相談先を考える必要はなくなりました。

 

この「総合労働相談コーナー」については以下で確認できます。

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